〜亜細亜の短剣〜
名称長さ(刃渡り)重さ特徴・その他地域
ウェドゥング
(Wedong)
20〜30cm
(10〜20cm)
0.25〜0.3kgジャワの儀式用短剣
片刃で中間部が幅広、峰はほぼ真直ぐ
携帯できるのは王子階級のみ
鞘は木製、携帯用のベルトは象牙や銀などで装飾された
東南アジア・ジャワ
カタール
(Katar)
(Kutar)
35〜40cm
(25〜35cm)
0.35〜0.4kgインドで古くから用いられた短剣
両刃で鋭い切先を持つ木葉状の剣身をもつ剣
刀剣並の長さを持つものも存在した
インド
キンドジャール
(Kindjal)
30〜55cm
(20〜40cm)
0.4〜0.6kgコーサカス地方固有の短剣
直身・両刃が普通だが切先が湾曲したものもある
剣身には文字が刻まれている
大きな柄頭をもち茎に木か象牙の握りを付け装飾した金属薄板を被せてある
鞘も銀細工などで装飾されている
中央アジア・南アジア
ククリ
(Kukri)
(Cookri)
(Kookri)
45〜50cm
(30〜35cm)
0.6kgネパールのグルカ族固有の短剣
片刃湾曲短剣
幅広く作られ先端に重みがかかり威力が増す作りになっている
草木を薙ぎ払う道具にも使われる
柄は硬い木か象牙で作られ真直ぐで鍔は無い
鍔元に小さな窪みがあるがこれは女性性器の象徴で威力が増すと考えられている
ネパール
クマ
(Qama)
(Khama)
25〜30cm
(15〜20cm)
0.2〜0.3kgコーサカス地方の固有短剣
小振りで柄頭が丸みを帯び尖っている
インドなどに広まったとき装飾が施された
 中央アジア
クリス
(Kris)
40〜60cm
(30〜50cm)
0.5〜0.7kgマレー民族固有の短剣
両刃で鋭い切先をもつ
真直ぐなものと波状にうねったものの2種がある
柄には木や動物の角・象牙などが使われ彫刻が施されている
鞘は木製で金箔が被せてあるものもあり彫刻が施されている
東南アジア
コラムビ
(Korambi)
15〜20cm
(8〜12cm)
0.1kgスマトラ島・スラウェシ島で用いられていた短剣
鎌状に湾曲している
刃は湾曲した内側についているものと両刃のものがある
小型で扱い易く柄の先端が球根状に太くなっており手に馴染み易い
引っ掛けて斬ったり両刃のものは突き刺して斬る事も出来る
東南アジア
ゴロキ
(Golok)
(Golang)
(Bendo)
15〜35cm
(8〜25cm)
0.1〜0.3kgマレーシアで用いられた大小様々で山刀・小刀の総称
戦闘より草木を切り払うもの「鉈」と考えられる
剣身は中間部分で膨らみを持ち柄は湾曲しており典型的な斬撃用の特徴を持っている
抉るような鋭い切先を持つものもある
鞘は木製で筒状。装飾が施されたものもある
東南アジア
ジャマダハル
(Jamadhar)
30〜70cm
(15〜55cm)
0.3〜0.8kgインドのイスラム教徒固有の短剣
柄がかなり異質で平行した二本のバーに一、二本の握りの横木でできている
長さ・形状と柄以外は全て異なる造りである
一般的なのは直身両刃のものである
インド
タバ
(Tuba)
(TubaKnife)
20〜30cm
(10〜20cm)
0.1kgフィリピンのイスラム教徒モロの短剣
鎌状に湾曲し刃は内側にある
柄頭が球根状になっておりバランスがいい
柄と鞘は木(ブラックウッド=別名ライトウッド)で作られている
東南アジア
チョーパー
(Chopper)
50〜65cm
(30〜45cm)
0.3〜0.5kgインド南部で使われた短剣
柄の長い鎌形短剣
本来は木々を切り開く為の剣だった
インド南部
チョーラ
(Choora)
20〜30cm
(10〜20cm)
0.1〜0.2kgハイバル峠近隣に居住するマッスド族の所持した剣
チャレイ(Charay)・チュッラ(Chhura)という別名もある
包丁に似た方刃で鋭い切先を持つ短剣
柄が刃先に向かいL字型に湾曲している
南アジア
チラニュム
(Chilanum)
30〜40cm
(20〜30cm)
0.3〜0.4kgインド中部で用いられた両刃湾曲短剣
握りは細く片方の鍔は柄頭まで延び護剣になっている
柄頭は曲がった棒のような形状をしている
二重に湾曲したものも存在する
 インド
バデバデ
(Bade-bade)
(Battig)
25〜35cm
(15〜25cm)
0.2〜0.3kgマレー人が用いた短剣
片刃細身湾刀
刃は湾曲した内側に付いており鋭い切先を持つ
柄は木製で握り易く馴染み易い様にくの字型に湾曲
L字型をした専用の鞘があり帯から落ちないように作られている
東南アジア
パナバス
(Panabas)
50〜60cm
(30〜40cm)
0.3〜0.4kgフィリピンを含む周辺の島々で使用された山刀系短剣
切先部分は撥型をしている
くの字型又は湾曲形状をしている
柄が長く振り回し・振り下ろし時に威力を発揮する
柄は木製だが銅や青銅製の口金で補強されている
東南アジア
パーブ
(Phurbu)
20〜30cm
(5〜15cm)
0.2〜0.3kgチベットで用いられている風変わりな短剣
悪霊から守る一種のお守りと考えられる
全体的に美術的要素があり同じ形をした物は無い
剣身は切先部分に設けられた3つか4つの羽根をもった矢尻型をしていることから突き刺し専用と考えられる
材質は真鍮が主だが木製の物もある
チベット
ハラディ
(Haladie)
25〜35cm
(15〜25cm)
0.2〜0.3kg中部インドのラージプート族の用いた剣
片刃湾曲双身短剣
特殊な点は刃が柄の両側に付いている点
二つの剣身は互いに反対方向に湾曲
装飾が施されているが戦闘用の短剣
インド
パリタイ
(Palitai)
(Palite)
35〜45cm
(25〜35cm)
0.2〜0.3kgインド洋上のメンタウェイ諸島民が現在でも用いている短剣
両刃で真っ直ぐな剣身を持つが、切先から10cmほどは細身で湾曲している
柄も細長く直角状に湾曲している
東南アジア/スマトラ島
バンク
(Bank)
20〜30cm
(10〜20cm)
0.3〜0.5kgヒンディー語で「湾曲」という意味を持つ名の短剣
その名の通り鎌のように湾曲した形状
刃は湾曲した内側にある
用途も引き切ることで、相手の重みや抵抗力を威力に加えることが出来る
1500年程も使われたとされる寿命の長い武器
インド
匕首
(ひしゅ)
(あいくち)
(ピーショウ)
30〜45cm
(20〜35cm)
0.1〜0.2kg中国で用いられた代表的な短剣
暗器として有名で暗殺者が良く用いたとされる
主に近接で使うが投げて使うことも出来る
中国/夏〜清
ビチャク
(Bichaq)
20〜30cm
(10〜20cm)
0.15〜0.2kg片刃で薄身で直身の短剣
綺麗な象眼のある包丁にも見える
手に馴染み易い様に柄の先端が刃先側に湾曲している
中央アジア・インド
ビチャッワ
(Bitchhawa)
(Bich'hwa)
30〜40cm
(20〜30cm)
0.3〜0.5kgビチュワの発展型で金属製で両刃の湾曲した剣身を持つ短剣
柄はループ状になった鉄製の環で握りと護拳の役割になっている
護拳になる部分は様々な工夫や装飾をされている
鞘は無く袖などに隠し持つのが普通とされている
インド
ピチャンガティ
(Pichangatti)
18〜30cm
(8〜20cm)
0.1〜0.2kgインド南東部に居住するコダグ族が用いた短剣
パミール語で「ハンドナイフ」を意味する
広い身の刃を持ち切先は両刃になっている
刀身には象眼が施され、専用の鞘も切先部分が尖って湾曲し金や銀の装飾がしてある
柄は細身だが柄頭は丸く太め
インド南部
ビチュワ
(Bichwa)
30〜35cm
(0cm)
0.3〜0.4kg「蠍の尾」の意味を持つ短剣
複雑に湾曲した剣身を持つ
材質はバッファローの頭角をそのまま使用していることから西洋では「ホーンダガー」と呼ばれている
柄の中央部分に穴が開いており、そこに手を通して持つようになっている
刃は切先となる角先端部分だけで鋭く尖らせてある
インド中部
ピハカエッタ
(PihaKaetta)
15〜30cm
(8〜22cm)
0.05〜0.2kgスリランカのシンハラ族が現在でも用いている短剣
ややくの字に湾曲した剣身の刃は湾曲した内側にある
切先は両刃になっているものが多い
柄の部分は手の込んだ様々な装飾を何重にも巻きつけて鋲止めした物が見られる
南インド
マンダヤナイフ
(MandayaKnife)
30〜40cm
(20〜30cm)
0.2〜0.5kg長剣のマンダウを小型化したものでビダユ族の用いた短剣
葉っぱ型の両刃でやや湾曲した大きな剣身を持つ
大きく重い剣身は鉈のような役割を持つ
握りの部分は木材や象牙などの動物の骨で作られている
主に工具として用いられるが武器としても使われている
東南アジア


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