ルナティックドーン 前途への道標
〜剣士【芹雄】の冒険記〜

〜 第一章 〜

冒険準備



 バイラーダス暦971年、7月12日。ようやく水鏡都市(みかがみとし)に辿り着いた。
利用させてもらった寺院の司祭にお礼を言って、その場を後にする。景色がよさそうな高台を見つけ、そこに向かって歩き始めた。

 ―――数分後、見晴らしのいい高台から都市全体を見渡す……

【芹雄】:
(ふぅ…やっと着いた。へぇ、これが水鏡都市か…結構綺麗な所じゃないか。よし。ここを拠点とするか… …場所を確認しておこう。ん〜…れ・ん・し・あ・の…水鏡と…あ、あったあった…)

 地図を広げ、水鏡都市を確認。バイラーダスは1つの大きな大陸だった。その大陸の北西部分…『水鏡都市』を発見。

【芹雄】:
(…うわ…大陸の端っこやん…きっついとこにあんなぁ…冒険苦労しそうやね…)

 と、一人地図を見ながら考え事をする芹雄。

【芹雄】:
(…ま、ボケ〜っとしてても仕様が無い。行動せねば!先ずは…う〜ん、どうも荷物が邪魔だなぁ…売るのも何か勿体無いし…そうだ! 物置を買おう!)

 と、そんなちっぽけな理由で到着して早々に豪華な家(15万G)を購入する芹雄。しかしその豪華な家は物置として使われる。 家の中に余計なアイテム・少々の金を置いて意気揚揚と出て来る芹雄。その後、情報屋で早くも全ての手形を揃える。 しかしこれから彼はしばらく地獄を見る事になろうとは…やっていた本人(俺=セリオス)も判らなかった。


 次に向かったのは、宿屋…全ての町に存在し全ての町に共通してここには宿・酒場・斡旋所が一体になっている。 先ずここに移動した。そして酒場に直行!何故か?…無論、前回得られなかった仲間を得る為。

【芹雄】:(取り敢えず、仲間は若い女限定!先の見えない中年やパートナー(女房)に適さない者は却下却下!男なんて要らないゼ! 目標!ハーレムでウハウハ!)

 いきなり自己中な考え方をする芹雄。
片っ端から若い女に声を掛け始める。端から見るとただのナンパである
 最初のターゲット…「流れる水」メルウェン。16歳の魔法使い系の女の子だ。

【メルウェン】:
「? ……何か?」

【芹雄】:
「ねぇねぇ、お嬢さん。今暇?彼氏いんの?もし暇でフリーだったらさぁ、俺と冒険しない?

 最低な誘い方だ。

【メルウェン】:
「えっ…そんな突然言われても…」

【芹雄】:
「そんな事は気にしない気にしない!ねぇ、いいジャン!仲間になってチョ!」

【メルウェン】:
「ごめんなさい…お断りします…あなたに魅力を感じないんです。」

【芹雄】:
(ウゥッ…!キツイお言葉…)
「そ…そう、じゃぁいいんだ。バイビ〜!」

【メルウェン】:
「さようなら。」

【芹雄】:
(何があかんかったんかなぁ…ええい!負けてたまるかッッ!次だ次ッ!)

 次のターゲットは…「神声を聞く闘士」グロスウェン。16歳のパツキン女戦士だ。

【グロスウェン】:
「ん?何か用?」

【芹雄】:
「ねぇねぇ、お嬢さん。今…(以下略)?」

【グロスウェン】:
「あのねぇ…私あなたの事何も知らないの。そんな人と一緒に冒険なんてできないわね。」

【芹雄】:
「はは…ごもっともで。それじゃ。」
(くそぅ…またかッッ!!ええぃ、次ッッ!…って最後やん!)

 ラスト…「闘いに生きる」シーレスト。二十歳のパツキン女戦士。

【芹雄】:
「オネーサン!俺と一緒にトレンディな冒険しませんか!?」

【シーレスト】:
「はぁ?何だ貴様!死語まで使いおって…」

【芹雄】:
「あ…いやあの…仲間になって欲しいんスけど…」

【シーレスト】:
「断る!…仲間は慎重に選ばないとねぇ…ナンパ男に着いて行ったらどうなる事やら。」

【芹雄】:
「はうっ…見てたのね…」

 一瞬だが、芹雄がショックを受けてる最中にシーレストは既に何処かへと行ってしまったようだ。

【芹雄】:
(うぅ…全敗か…ちくしょう…チクショウ!!今にみてろ!)
←負け犬の遠吠え

 結局一人も仲間に出来なかった芹雄。…つーか、男でも中年女でも仲間にしろよ


【芹雄】:
(仲間は出来なかった…仕方が無い…暫くは一人で冒険するか…英雄にでもなれば誰か仲間になってくれるだろう。 取り敢えず何か依頼を受けるとすっか!)

 意気揚揚とカウンターに行き、宿屋の主人兼、酒場のマスター兼、仕事斡旋所の仲介人に話し掛ける芹雄。

【芹雄】:
「なぁなぁ、オッサン。簡単で時間もかからずに報酬が一万以上っていう仕事って無い?」

【宿の主】:
「阿呆か!ンなもん、あるわきゃねぇだろが!」

【芹雄】:
「チッ!しけてんなぁ…まぁしゃ〜ねぇか。じゃぁ、「時間がかからない」「知名度が大幅アップ」っていうのは?」

【宿の主】:
「黙れ外道。」

【芹雄】:
「嘘です。ごめんなさい。「討伐」や「退治」の仕事が欲しいです。ボク。」

【宿の主】:
「初めからそう言やぁいいんだよ。丁度「討伐」の依頼があるが…レンシアの討伐はキツイぞ?」

【芹雄】:
「良いですよ。俺、強いし。」

【宿の主】:
「ほぅ…大した自信だな。いいだろう。討伐するのは「ブルードラゴン」だ。穴熊の巣跡にいる。」

【芹雄】:
「了解。じゃ、早速行くとすっか。」

 と、一人で宿から出ようとする芹雄。それを見た宿の主―――

【宿の主】:
「お、おい!ちょっと待て!一人で行くのか?仲間はどうした?」

【芹雄】:
「訊かないで下さい…」


第一章

戻る


inserted by FC2 system