〜 第一章 〜
冒険準備
―――数分後、見晴らしのいい高台から都市全体を見渡す……
【芹雄】:
(ふぅ…やっと着いた。へぇ、これが水鏡都市か…結構綺麗な所じゃないか。よし。ここを拠点とするか…
…場所を確認しておこう。ん〜…れ・ん・し・あ・の…水鏡と…あ、あったあった…)
地図を広げ、水鏡都市を確認。バイラーダスは1つの大きな大陸だった。その大陸の北西部分…『水鏡都市』を発見。
【芹雄】:
(…うわ…大陸の端っこやん…きっついとこにあんなぁ…冒険苦労しそうやね…)
と、一人地図を見ながら考え事をする芹雄。
【芹雄】:
(…ま、ボケ〜っとしてても仕様が無い。行動せねば!先ずは…う〜ん、どうも荷物が邪魔だなぁ…売るのも何か勿体無いし…そうだ! 物置を買おう!)
と、そんなちっぽけな理由で到着して早々に豪華な家(15万G)を購入する芹雄。しかしその豪華な家は物置として使われる。 家の中に余計なアイテム・少々の金を置いて意気揚揚と出て来る芹雄。その後、情報屋で早くも全ての手形を揃える。 しかしこれから彼はしばらく地獄を見る事になろうとは…やっていた本人(俺=セリオス)も判らなかった。
次に向かったのは、宿屋…全ての町に存在し全ての町に共通してここには宿・酒場・斡旋所が一体になっている。 先ずここに移動した。そして酒場に直行!何故か?…無論、前回得られなかった仲間を得る為。
【芹雄】:(取り敢えず、仲間は若い女限定!先の見えない中年やパートナー(女房)に適さない者は却下却下!男なんて要らないゼ! 目標!ハーレムでウハウハ!)
いきなり自己中な考え方をする芹雄。
片っ端から若い女に声を掛け始める。端から見るとただのナンパである。
最初のターゲット…「流れる水」メルウェン。16歳の魔法使い系の女の子だ。
【メルウェン】:
「? ……何か?」
【芹雄】:
「ねぇねぇ、お嬢さん。今暇?彼氏いんの?もし暇でフリーだったらさぁ、俺と冒険しない?」
最低な誘い方だ。
【メルウェン】:
「えっ…そんな突然言われても…」
【芹雄】:
「そんな事は気にしない気にしない!ねぇ、いいジャン!仲間になってチョ!」
【メルウェン】:
「ごめんなさい…お断りします…あなたに魅力を感じないんです。」
【芹雄】:
(ウゥッ…!キツイお言葉…)
「そ…そう、じゃぁいいんだ。バイビ〜!」
【メルウェン】:
「さようなら。」
【芹雄】:
(何があかんかったんかなぁ…ええい!負けてたまるかッッ!次だ次ッ!)
次のターゲットは…「神声を聞く闘士」グロスウェン。16歳のパツキン女戦士だ。
【グロスウェン】:
「ん?何か用?」
【芹雄】:
「ねぇねぇ、お嬢さん。今…(以下略)?」
【グロスウェン】:
「あのねぇ…私あなたの事何も知らないの。そんな人と一緒に冒険なんてできないわね。」
【芹雄】:
「はは…ごもっともで。それじゃ。」
(くそぅ…またかッッ!!ええぃ、次ッッ!…って最後やん!)
ラスト…「闘いに生きる」シーレスト。二十歳のパツキン女戦士。
【芹雄】:
「オネーサン!俺と一緒にトレンディな冒険しませんか!?」
【シーレスト】:
「はぁ?何だ貴様!死語まで使いおって…」
【芹雄】:
「あ…いやあの…仲間になって欲しいんスけど…」
【シーレスト】:
「断る!…仲間は慎重に選ばないとねぇ…ナンパ男に着いて行ったらどうなる事やら。」
【芹雄】:
「はうっ…見てたのね…」
一瞬だが、芹雄がショックを受けてる最中にシーレストは既に何処かへと行ってしまったようだ。
【芹雄】:
(うぅ…全敗か…ちくしょう…チクショウ!!今にみてろ!)←負け犬の遠吠え
結局一人も仲間に出来なかった芹雄。…つーか、男でも中年女でも仲間にしろよ。
【芹雄】:
(仲間は出来なかった…仕方が無い…暫くは一人で冒険するか…英雄にでもなれば誰か仲間になってくれるだろう。 取り敢えず何か依頼を受けるとすっか!)
意気揚揚とカウンターに行き、宿屋の主人兼、酒場のマスター兼、仕事斡旋所の仲介人に話し掛ける芹雄。
【芹雄】:
「なぁなぁ、オッサン。簡単で時間もかからずに報酬が一万以上っていう仕事って無い?」
【宿の主】:
「阿呆か!ンなもん、あるわきゃねぇだろが!」
【芹雄】:
「チッ!しけてんなぁ…まぁしゃ〜ねぇか。じゃぁ、「時間がかからない」「知名度が大幅アップ」っていうのは?」
【宿の主】:
「黙れ外道。」
【芹雄】:
「嘘です。ごめんなさい。「討伐」や「退治」の仕事が欲しいです。ボク。」
【宿の主】:
「初めからそう言やぁいいんだよ。丁度「討伐」の依頼があるが…レンシアの討伐はキツイぞ?」
【芹雄】:
「良いですよ。俺、強いし。」
【宿の主】:
「ほぅ…大した自信だな。いいだろう。討伐するのは「ブルードラゴン」だ。穴熊の巣跡にいる。」
【芹雄】:
「了解。じゃ、早速行くとすっか。」
と、一人で宿から出ようとする芹雄。それを見た宿の主―――
【宿の主】:
「お、おい!ちょっと待て!一人で行くのか?仲間はどうした?」
【芹雄】:
「訊かないで下さい…」
了