ルナティックドーン 前途への道標
〜剣士【芹雄】の冒険記〜

〜 第二十三章 〜



 ――――『アクエルド』サラダム地方・王都サランドン、フェンリル地下施設のとある一室…そこは芹雄が使っている寝室だった。
芹雄はミルヴァーナを自分の寝室に連れて来ていた。そう、夜の相手をしてもらう為に…………
この部屋に芹雄とミルヴァーナが二人…向き合って何かをしているようだ……

芹雄:「そう…上手いよ、ミルさん…」

ミルヴァーナ:「ふふっ…私の事は『ミル』と呼んで…と先程も言った筈ですが?」

芹雄:「いや…さすがに人妻だし、呼び捨てにする訳にはいかないよ…っぅく…っ…ふぅ、今のは危なかった。」

ミルヴァーナ:「大丈夫ですか?」

芹雄:「ええ、危ないところでしたが。…でもミルさん、本当にこれするの初めてなんですか?」

ミルヴァーナ:「…そうですけど…何か間違ってます?」

芹雄:「いや…意外と上手いので…」

ミルヴァーナ:「まぁ、有難うございます…この後はどうすれば良いのですか?」

芹雄:「じゃぁ、先っぽについてるコレを剥いて…」

ミルヴァーナ:「はい…」

≪ペロン…≫

ミルヴァーナ:「あ、綺麗に剥けました。」

芹雄:「それは良かった。剥き方も上手でしたよ。」

ミルヴァーナ:「ふふ…有難う御座います…この次は?」

芹雄:「じゃぁ…いよいよコレの出番だ。」

ミルヴァーナ:「まぁ…では、ソレをどうすれば良いのですか?」

芹雄:「コレをソコに捻じ込むんですよ。」

ミルヴァーナ:「えっ…でも、そんな事をしたら…」

芹雄:「大丈夫大丈夫。ちゃんと狙いを定めてゆっくり沈めて行ったら気持ち良いくらいにするする埋まって行きますから。」

ミルヴァーナ:「そ、そうなんですか?……じゃぁ…っんっ!」

≪ズッ、ズズッ…≫

芹雄:「ほら、大丈夫でしょう?。」

ミルヴァーナ:「んっ…はぁ…ちょっと…キツいです…んっ、んんっ!」

芹雄:「あれ?そうですか…でも頑張って最後まで埋めて下さいね。」

ミルヴァーナ:「はい…判りました、頑張ります…んっ!」

 真剣になって、ゆっくりとソコにソレを埋めていくミルヴァーナ。
やがて…

ミルヴァーナ:「…っはぁっ…全部入りました…」

芹雄:「よし…上手く入りましたね…じゃぁ…」

ミルヴァーナ:「はい…次は?」

芹雄:「今度はゆっくりとソレを引き抜いていって下さい。」

ミルヴァーナ:「…は、はい……」

芹雄:「俺もそろそろ動かし始めますよ。」

ミルヴァーナ:「えっ…?も、もうちょっと待ってください…」

芹雄:「駄目です。ほら…一緒に…」

ミルヴァーナ:「は、はい…んっ…んんっ…はぁ…んっ!」

芹雄:「ほらほら。頑張って!」

ミルヴァーナ:「ん……んんっ!」

芹雄:「…ん……うぅっ…っ…くぅ〜……」

ミルヴァーナ:「…んっ…んぅっ……っ…はぁ、はぁ…ど、どうですか?今どんな感じですか…」

芹雄:「…えぇ…いい感じですよ…そのまま…っ!」

ミルヴァーナ:「はい…っ!……んっ!んっ!んっ!……」

芹雄:「ぉ…くっ……そろそろ…出そうです…」

ミルヴァーナ:「…えっ?も、もうですか? もうちょっと待って下さい…私も…一緒に……」

芹雄:「あ〜、駄目だ…もぅ…もう……ちゃんと…俺の飲んで下さいよぉっ!?」

ミルヴァーナ:「はいっ!…んんっ!…んっ!あ、はぁ…わ、私も……私もっ!」

≪ポン、ポンッ!≫

芹雄:「ふぅ〜。抜けましたね。」

ミルヴァーナ:「えぇ。これでやっとワインが飲めますね。」

 ……………………
只ワインのコルク栓を抜いてただけのようです。

それではは始めしょう!Q&Aタ〜イムッ!
 Q:最初、何が危なかったのか?
A:は簡単。キャプシュールを切る時に、ナイフが滑って自分の手を切りそうになっただけです。
 Q:ミルヴァーナは何を剥いたの?
A:切り込みを入れた後のキャプシュールです。
 Q:ミルヴァーナは何を心配したの?
A:コルク栓が余計奥に埋まってしまうのではないか?という事です。
 Q『コレ』『ソレ』『ソコ』とは何か?
A:『コレ』『ソレ』はコークスクリュー(ティールブション)、『ソコ』はコルク栓です。
 Q:そろそろ動かし始める、ってどういう事?
A:芹雄も別のワインの瓶でコルク栓抜きをしていたので、抜く動作をし始めるということです。
 Q:何が「いい感じ」なんですか?
A:良い感じで栓が抜けていってるということです。
 Q:何が「出そう」なんですか?
A:コルク栓が瓶の口から、です。
―――以上。

 その後、ワインを飲みながらいろんな話を聞く。
レナスの事、フェンリルの事、この世界の事…いろんな事。
芹雄も『バイラーダス』での冒険で起きた出来事などいろんな事を話した。
ミルヴァーナのお蔭で、この日の夜は退屈しないで済んだようだ。
…しかし、期待していた事とは違っていたが。
芹雄が眠くなったのをミルヴァーナは察した。

ミルヴァーナ:「そろそろお開きにしましょうか。」

芹雄:「あ…そうですか。お陰様で楽しい一時を過ごせましたよ。」

ミルヴァーナ:「ご満足頂けたようで何よりです。これでお礼になったのでしょうか…?」

芹雄:「ええ。十分です。有難うございました。」

ミルヴァーナ:「いえいえ。では私は自室に戻りますね。」

芹雄:「え…?そ、そうですね。じゃぁ、送りますよ。」

ミルヴァーナ:「いえ。大丈夫です。それには及びません。」

芹雄:「そうですか。それじゃ…気を遣って頂いて申し訳ないです。」

ミルヴァーナ:「いえ…それでは。おやすみなさい。」

 そういって部屋を出ていった。
残念ながら期待していた事にはならなかったが、十分満足いくお礼だった。
そしてベッドに倒れた芹雄は眠りについた。



芹雄:「さて…今日もお仕事しに行きますか。」

 次の日の朝、起床後酒場に向かう芹雄。

マスター:「よう、芹雄!聞いたぞぉ…?昨日は凄い活躍したそうじゃないか!えぇ?また名声を上げやがって!」

 酒場に着くと、いきなりマスターが話し掛けて来た。それに反応し、こちらを見る冒険者達。
適当に返事をして、朝食の注文をし、席に着く芹雄。
そして数人の冒険者が声を掛けて来た。どうやら昨日の活躍が広まってちょっとした英雄視されているようだ。しかし、話し掛けてきたのは全部男だった。
当然のように適当に返事をして、問いに答えて軽くあしらう。本当に男に興味無いらしい。
しかし、ふと思うこともあった。

芹雄:(この調子だと女性にもそういう扱いされてるかも!?)

 その期待を持って、早速女性の冒険者に声を掛け始めた。これも当然だが、『若くて美しい女性』に限っている。
………範囲が狭くなってる気がする…………ま、気の所為でしょう。

 で、合格圏内の女性冒険者を探し始める…までもなく何故かかなりの人数がこの地下施設に存在していた。
いや、女だけではない。先程の男達もそうだ。かなりの人数
恐らくデスドラゴンの噂を聞き付けた冒険者が我こそが勇者にならん、と考えて集まって来たのだろう。
でも退治に行く役は決まっているので骨折り損だった…と。そこに只でさえ珍しい異世界の旅人が活躍したのだから興味の湧いた冒険者が声を掛けてきたのだろう。
何故か女性は誰一人来なかったが…
 芹雄は女性冒険者に声を掛けていった…が。
答えは全て『NO』だった……理由は、属性が合わない者は仕方ないとして、他は既に仲間が居たり、異世界に行く事を嫌う人ばかりだった。
片っ端から声を掛けたが、結果は全滅……仕方なくトボトボと外に出て行き退治を始める芹雄だった。

芹雄:「ンじゃ、テメェ!?喧嘩売っとんか?あぁ!?俺はこんな惨めな思いしに来たんちゃうぞ!ナメんな!ゴルァァァ!!!」

 雑魚モンスター相手に鬱憤晴らし…これこそ惨めではないのか?

………というようなことを数日続けていた。
声を掛けた女性はもう20人はくだらないだろう…結局誰一人として仲間になってくれなかった…
(ちなみに、一度声をかけた人は二度目は無いと思って下さい。)

 その内の一件…すこし特殊なケースがあった。
相手は『元・敏捷のマスター』玲奈。今は称号を『白銀の女狼』と改め、普通の冒険者をやっているらしい。
『それならば…』と、酒場の席についていた玲奈に近付き、声を掛けた。

芹雄:「こんにちは。ちょっといいですか?」

玲奈:「?……何か用?」

 この瞬間に過去にこういう態度の返答があったなぁ…と、嫌な予感を感じた芹雄。
玲奈は『興味無い』、という感じで茶を啜りながら考え事をしている。

芹雄:「え〜…っとですね。今、何か予定はおありですか?」

玲奈:「……別に。…見て判らないかしら?用事があるならこんな所でのんびりしてないわ。」

芹雄:「そうですね…って、そうじゃなくて。あ〜、正確には………いや、もう単刀直入に訊くか。」

玲奈:「……何よ。」

芹雄:「俺とパーティを組みませんか?」

玲奈:「……はぁ?」

芹雄:「ですから、俺と――――」

玲奈:「あー!同じような事言わないでいいわよ、何を言ったかくらい判ってるわ。」

芹雄:「では…」

玲奈:「でも残念でした。今私は別の人と組んでるから、仲間になる訳には行かないわ。」

芹雄:「そうですか…残念ですね。元・敏捷のマスターなら頼りになるかと思ったんですが。」

玲奈:「…そう、私の事を知ってるのね?」

芹雄:「えぇ…まぁ。レナスとの戦いを見てましたから。」

玲奈:「……なんですって?」

 この時、芹雄は『しまった。』と口を押さえたが、遅かった。

玲奈:「……貴方…一体何者?」

芹雄:「……只の旅人ですが。」

玲奈:「…嘘ね。あの時貴方の気配は感じなかったもの。その時までだけど、私は敏捷のマスターよ? いくらレナとの戦闘で集中してたからといって、普通の冒険者程度の気を感じ取れないほど落魄れていないわ。応えなさい!貴方は―――――」

芹雄:「俺の名は芹雄。」

玲奈:「せりおす……?……! あ、貴方がポールを助けてくれた芹雄!?」

芹雄:「そうだ。その時に会った筈だが。」

玲奈:「あ…あの時はポールが助かった事が嬉しくて…そっそれに、あの時黄金兜被ってたじゃない!」

芹雄:「…………」

 『しまった。』と顔を押さえる芹雄。

玲奈:「あ…ごめん。まだ礼を―――」

芹雄:「別に恩や借りを作りたくてやった訳じゃない。…それに礼ならある人に十分貰ったからもういらん。」

玲奈:「でもなんで貴方があたしを?」

芹雄:「…別に理由は無い。単に仲間を作ろうと思っただけだ。」

玲奈:「そう。……で?どうだった?」

芹雄:「?…何が?」

玲奈:「何って…マスターだったあたしの力よ。見てたんでしょ?」

芹雄:「あぁ…その事か。ふむ、そうだな……敏捷のマスターにしては…って感じだったかな?」

≪ピクッ…≫

玲奈:「……なんですって?」

芹雄:「うん、自分でも判ってると思うけど、あの時は冷静さに欠けていたよな。まぁ、レナスも思った以上に強かっ――――」

玲奈:「あ、貴方何様のつもり!?今はもう違うけど…マスターだった者に対して失礼だとは思わないの!?」

芹雄:「えっ…?いや、だって…感想を聞かれたから…」

玲奈:「ふ、普通は誉めたり称えたりするもんじゃないの!?なんでそんな嫌味を言うのよ!」

芹雄:「え…だって本当の事だし…」

玲奈:「くッ!…でも、本当の事だとしても普通の冒険者にそんな事言われたくないわ!ポールを助けたくらいで偉そうな事言わないで!」

芹雄:「別に偉そうにしてないだろ?普通に感想を述べてるだけじゃないか。それで、その事を反省して直していけば――――」

玲奈:「貴方にそんな事言わせる筋合いは無いって言ってるのよ!!」

芹雄:「あ〜ぁ…また冷静さを失ったよ…困ったお嬢さんだ…そんなんだから負けるんだよ…」

≪ブチッ≫

 何か緒が切れたような音が聞こえ……た気がした。
さっきから大声で騒いでる所為で、注目されている。
しかし、この時に漂い始めた殺気にある者は引き、ある者は目を逸らす…
芹雄も嫌な予感を感じる。

玲奈:「……そう…なら、貴方だったらレナに勝てる自信はあるっていうの?」

芹雄:「自信も何も…あなたとレナスには悪いが、確実に勝てる。」

玲奈:「!!」

≪バンッ!ガターン!≫

 机を叩いて勢い良く立ち上がる玲奈…勢いで椅子が倒れた。……そして玲奈は言った。

玲奈:「だったら、あたしが確かめてあげる…身体で証明して見せなさい!」

芹雄:「やれやれ…血の気の多い娘さんだ……で?ここで闘るのか?」

 す…っと芹雄も立ち上がり、辺りを見回す。結構な冒険者の数で埋まっているこの酒場では被害が出るだろう。

玲奈:「…フン!なら場所を変えてあげるわ!」

芹雄:「…よし、ならあの訓練所にしよう。そこであなたに必要なことを教えてあげましょう。」

玲奈:「あたしが勝ったら………殺す……!」

芹雄:「どうぞご自由に。………勝てたらね。」

 そしてあの訓練所に移動する…前にレナスが玲奈とリーナのペアと戦った場所である。
何故か観客までついて来た。あの騒ぎが気になったのか、元マスターの戦闘が見たいのか…それとも異世界の剣士の実力を見たいのか…それとも全部か。
かなりの数の観客が集まった。

芹雄:「やれやれ…見世物じゃぁ無いんだが…」

玲奈:「私は別に構わないわ。大口叩いた間抜けな勇者サマの最期を見せて上げたいしね。」

芹雄:「あ〜…はいはい。そんなのどうでもいいから、さっさと掛かって来な。」

玲奈:「フン…武器くらい抜かせてあげるわよ。一瞬で決まっちゃったら観客に申し訳がないじゃない?……ま、私はそれでも構わないけどね。」

芹雄:「ん?…あぁ、大丈夫。必要無いから。」

玲奈:「…余裕を見せてたら命を落す事になるわよ!」

≪シャッ、ヒュン!≫
 流石は元・敏捷のマスター…といったところか。物凄いスピードで一瞬で間合いを詰め、斬りかかって来る…しかし…

≪ス…≫

 当たらない。

芹雄:「ふふ…単純な奴。」

玲奈:「…ち…次は外さない!」

芹雄:「ふふん…ちゃんと狙えよ?」

玲奈:「煩い!」

≪シャシャシャシャシャシャシャシャシャシャシャッ!≫

 目にも止まらぬ早さで連続攻撃を仕掛ける玲奈……だが…

玲奈:「な…何故!?なんで一度も当たらないの…?」

芹雄:「ひょっとして自分より速い者と戦った事がないのかな…?」

玲奈:「…うッ!?」

芹雄:「…図星か。」

玲奈:「う…煩い!」

芹雄:「ふん…」

≪ヒュッ、シャゥッ!スッスッ…シュッ!フッ…≫

玲奈:「!!き、消えた!?」

芹雄:「…見えなかったのか?」

 玲奈は焦る。消えたと思った人物の声が背後から聞こえたのだ…
慌てて振り返る…が。

≪トンッ。≫
 芹雄の手刀が玲奈の額に当てられる。

玲奈:「あ…」

芹雄:「これが真剣だったらあんたは死んでいたな。」

玲奈:「な…一体…何が…あたし…」

芹雄:「どうだ?自慢の能力で負けた気分は。」

玲奈:「………」

芹雄:「ふ…言葉も出ないか。」

玲奈:「まだよ…」

芹雄:「あ?」

玲奈:「あたしはまだ本気を出してない!忍の宝珠…そうよ…あれがあれば貴方なんかに――――」

芹雄:「コレの事か?」

≪じゃら、ポイ………パシ。≫

玲奈:「?………………ッ!?な、何でこれを貴方が!!しかも全部!!」

芹雄:「それは俺がバイラーダスで集めた物だ。」

玲奈:「じゃ、じゃぁ貴方は…」

芹雄:「あぁ。前のあんたと同じ達人だ…ここではマスターか?」

玲奈:「そんな…」

芹雄:「それを使えば俺を倒せるんだな?貸してやるからもう一度掛かって来い。忍の宝珠だけなら使えるだろう。」

玲奈:「!!」

芹雄:「どうした…?来ないのか?ならばこちらから行ってやろうか。」

玲奈:「くッ!…刮目せよ!我は忍の達人なり!分け身の術により汝を討つ!」

≪ヴンヴンヴン!≫
 玲奈の身体が四体に増える。

玲奈s:『覚悟!!』

芹雄:「……………ふっ…この程度か?」

玲奈s:『な…何故!なんで当たらないの!?』

芹雄:「…当たってるさ。掠ってるだけだけどな。」

 1回目の時もそうだ。玲奈は何度も攻撃を繰り返している。玲奈は当たってないと思ってるが、正確には『手応えが無い』なのである。
力があるが故に、手応えが無いと当たったように感じないのである。芹雄は攻撃を見極め、余計な動きをせずに防御して攻撃をかわしていたのだった。
今回も全く変わっていない。ダメージが全く無いだけなのである。しかし、大きく変わった者がいた…

玲奈:「はぁ、はぁ…」

芹雄:「…どうした?もう終りか?」

玲奈:「っ!…まだよ!忍の宝珠よ、我の呼掛けに応えよ!」

≪ヴンヴンヴン!≫
 玲奈の分身が八体に増える。

芹雄:「…それが徒となるんだよ…」

 少しすると…玲奈の分身は消え失せ本体だけになった。その玲奈も地に臥した。

玲奈:「っ…うぐっ…はぅッ…く……」

芹雄:「…体力を消耗する宝珠を乱用すると自滅する事になる。覚えておくんだな。」

 恩恵札で回復してやる芹雄。回復してる時に数珠状の宝珠を返してもらう。
暫くすると盛上がっていた観客も全員帰っていった。

芹雄:「もう判っただろう。自分の力がどんなものか。」

玲奈:「……なんで教えてくれなかったの?」

芹雄:「調べようともせずに勝負をふってきたのは誰だ?」

玲奈:「うっ…だっ、だってあんな事言われたら誰だって怒――――」

芹雄:「お前はそんなんで敏捷のマスターをやっていたのか!?」

玲奈:「っ!?」

芹雄:「俺の世界ではな、敏捷のマスターの事を【忍びの達人】というんだ。その達人は常に冷静沈着でないといけないんだよ。」

玲奈:「…………」

芹雄:「どんな事があっても、どんな事を言われても冷静でないと勤まらん。あらゆる状況でも有利に事を進める為だ。」

玲奈:「…………」

芹雄:「判るか?あんたのその熱くなり易い性格だと、有利に進んでても逆に不利になっちまうんだよ。」

玲奈:「で、でも…それくらい他の力でカバーすれば――――」

芹雄「……生意気抜かすなッ!!」

玲奈:「ひっ!!」

芹雄:「達人・マスターにはそれぞれ役目ってモンがあるんだよ!それを極め、最大限に活かすのが達人・マスターと言われる所以だ!」

玲奈:「!!」

芹雄:「パーティを組んでる時、どんな危機的状況においても常にクールに判断し、皆の危機を払う事の出来る者の事を言うんだ!」

玲奈:「……………」

芹雄:「本来なら、俺が出てくる事も無かったんだ。お前の我侭な性格がこの状況を呼んだ。」

玲奈:「えっ……?」

芹雄:「もしあの時、詰まらん意地を張らずにレナス達と組んでポールを助けに行ってたらレナスは怪我をせず、 今の状況になどならなかった事が判らんのか!!」

玲奈:「っ…!!」

芹雄:「まだまだ子供のクセに偉そうな事を……今回は負けて良かった、とそう思えたらまだ見込みはあると思ってやる。…じゃぁな。」

玲奈:「……ま、待って!……1つだけ訊かせて…」

芹雄:「…何だ?」

玲奈:「私を仲間に誘ったのは、この事を教えたかったからなの……?」

芹雄:「違う。あの時言った通り単に仲間を作ろうと思っただけだ。」

玲奈:「……本当に?」

芹雄:「本当だ。あんたとなら旅をしてもいいと思ったから誘ったんだよ。」

玲奈:「そ…そう。………判ったわ、ありがとう。」

芹雄:「…じゃぁな。」

 そして、玲奈に背を向けて訓練所を出て行った。
去って行く芹雄の背を見送る玲奈…暫くの間ボーっとしてたが、やがて立ち上がって自分も訓練所を出る。
玲奈が向かった場所は、ポールを治療している病室だった。
≪コン、コン。≫
軽く扉をノックする。

リーナ:「はい。どうぞ。」

 病室にはポールの他に看病をしていたのだろう、リーナがいた。
≪ガチャ≫
返事を聞いた後、扉を開け中に入る玲奈。

リーナ:「あら、玲奈。おかえりなさい。…情報集取にしては遅かったですね。」

玲奈:「ごめん、リーナ…ちょっとある人と揉めちゃって…」

リーナ:「はぁ…またですか?…では回復しに行きますから、その人の所に――――」

玲奈:「その必要は無いわ…一度も当たらなかったから…」

リーナ:「ええっ!? あなたの攻撃がですか?一体何者ですか?」

玲奈:「…芹雄よ。ポールを救ってくれた。」

リーナ:「芹雄…?あの『噂の人』ですか?」

玲奈:「ええ、そう。噂の異世界の旅人よ…ポールを一人で救った強さは本物だったわ。」

リーナ:「そうなのですか…あ、でも『噂』というのはそれじゃないですよ。新しい『噂』です。」

玲奈:「……新しい『噂』?」

リーナ:「あら?玲奈は知らないのですか?…彼、数人の冒険者に『仲間にならないか?』と訊き回ってるらしいんです。」

玲奈:「えっ?…なんだ…そうなの……」

リーナ:「それも若い女性ばかり。…一体何が目的なんでしょうね?フフッ。」

玲奈:「…………なんですって?」

リーナ:「…え?…だから、『芹雄さんは若い娘なら見境無く仲間に引き入れる』っていう――――」

玲奈:「!……そう、そういうこと…」

リーナ:「あら?もしかして、玲奈……誘われた?」

玲奈:「……リーナは…やっぱり……」

リーナ:「ええ。お礼を言いに行った時お話しましたけど、誘われはしませんでしたね。」

玲奈:「く、く、く、く………何て男なの!あんな男に少しでもほ…………」

リーナ:「『ほ』?…………あらあら…若いっていいですね〜。」

玲奈:「ちっ、違うわよ!誰があんな男なんかに!」

リーナ:「はいはい。そういう事にしておきます。」

玲奈:「も、もぅっ!……くぅ〜…なんか滅茶苦茶頭に来たわ…! 乙女の純情を踏み躙った罪の重さ…思い知らせてやるわ!」

リーナ:「あぁッ!……玲奈の目が真紅の警戒色を放っている…怒りに我を失ってるんだわ… こうなってしまっては、もう誰にも止める事は出来ない…かも。」

 その後、玲奈はフェンリル地下施設中の若い女性冒険者に声を掛け、『芹雄に誘われた』者を探した。
同時に、『他にも誰か誘われてなかったか』どうかも訊く。その情報で愛蓮やミルヴァーナに声を掛けた事もバレる。
そして、一番気になったレナスの元にやってくる。
≪バンッ!≫

玲奈:「レナス!居る!?」

≪ビクゥッ!≫

レナス:「わぁっ!…ビックリした…そりゃ、ここがわたしの病室なんだからいるに決まってるでしょ?」

ノック無し。相当ご立腹のようだ。

レナス:「それで?また誰かと喧嘩したの?」

玲奈:「貴方まで子供扱いをする…失礼な事言わないでよ!あたしは子供じゃないのよ!?」

レナス:「だって玲奈がそんなに鼻息荒くここに来る時って、大抵がそうなんだもん。」

玲奈:「そんな事より聞いてよ!あの異大陸から来た冒険者、ここにいる冒険者に仲間にならないかって声をかけまくってるのよ!」

レナス:「それが何か問題あるの?」

玲奈:「それだけならあたしも何も言わないわ!問題なのはあいつが若い女の冒険者にしか声をかけてない事なの!」

レナス:「……なるほど。」

玲奈:「ほら、あいつに声をかけられた娘はこれだけいるのよ!みんな、入って来て!」

 《ぞろぞろ……》
 なんと、玲奈は該当する冒険者をここまで連れて来たのだった。恐るべし、女の執念…いや、嫉妬というべきか?

レナス:「って、連れてきてるの!?」

玲奈:「ちなみに愛蓮とあんたの母親も声をかけられてたわよ。今回誘っても来なかったけどね。」

レナス:「…………………はぁ。」

女戦士:「若い女の冒険者ばかり誘ってどうするつもりなのかしら?」

女盗賊:「もしかして向こうの世界で人身売買するとか!」

女魔術士:「きゃー!怖いわ!」

 更なる新たな噂が生まれようとしている…誤解が誤解を呼ぶ…正にそれだ。
このままでは芹雄はかなり危ない人間と思われてしまう……

レナス:「皆!聞いて!」

《シー…ン……》

レナス:「あの人…芹雄さんはね、ナンパの国から来たナンパ大使なの!」

玲奈:「ちょ、ちょっとレナ!何なのよ、それは!?」

 レナスがフォローし始めてくれた。

レナス:「つまり、ナンパの国から来た芹雄さんにとって、若い女性を冒険に誘うのは礼儀みたいなものなんだよ。」

玲奈:「あ、あのねぇ!そんなふざけた理由で納得できるわけ――――」

レナス:「ちなみに誘うのは女性として魅力的な人限定なんだって。」

女性冒険者達:『なるほど!そうだったのね!』

玲奈:「ま、まぁ…そう言う事ならわからないでもないわね…………」

 それで納得したのか、女性冒険者はレナスの病室から出て行った。玲奈も一緒に出ていく。

玲奈:(そっか…私の事、そういう目で見てたんだ……)

 そして、少し顔を火照らせ涙ぐむ…しかし。

玲奈:(…でも、他の娘にも声を掛けたのは許せないわ!それに私の事を子供扱いしたし!……絶対に認めさせてやるわ!)

 勘違いなのだが、新たな意志に燃える玲奈であった……
一方、一人になったレナスは…

レナス:「今度芹雄さんが見舞に来た時に確認しよっと。上手く行ったらからかえるしね…ふふふ…」

 新たな娯楽標的を見つけたようだった………



 後日、芹雄はレナスの病室に見舞に行った。様子見とちょっとした会話である。
≪コンコン。≫

レナス:「はい、どうぞ。」

≪ガチャ…≫

芹雄:「よう。見舞に来たぞ。」

レナス:「げぇっ!芹雄さん…」

芹雄:「なっ、なんだよ、その反応は!?折角見舞に来てやったのに!……あ〜ぁ、もういいよ。嫌がるんだったら帰る。」

レナス:「あ〜!冗談だよ、じょ・う・だ・ん。折角来たんだし、話しの相手してよ。暇だったんだ。」

芹雄:「…ったく…いちいち冗談言わんと普通に出来んのか…?」

 と、いいながらレナスのベッドの傍においてある椅子に腰掛ける。
そして、他の見舞に来た人の品だろう、果物があったのでリンゴを取り…
≪スラー…≫

レナス:「わぁ!何する気!?」

いきなり降魔の利剣を引き抜いた…かと思うと、

芹雄:「まぁ見てな…ッ!」

≪シュピピピピッ!…………ばらっ。≫
リンゴを八等分した。更に…。
≪ショリ、ショリ…≫

レナス:「わわ!?そんな大きな剣で綺麗に皮剥いてる!……ウサギさんだ!」

芹雄:「そら…」

レナス:「芹雄さん…」

芹雄:「ふっ…上手いもんだろ?」

レナス:「手、洗った?」

≪ガクーっ!≫
 お約束である。

芹雄:「ンだそりゃ!普通はまず誉めるだろ!?なぁ!?」

レナス:「ばっちい手で触った黴菌だらけの物食べて病気になったらどうするんだよ!」

芹雄:「うぎぎぎ……」

レナス:「へへ〜ん。」

芹雄:「あ。」

 そう言って上を向いて天井を指差す芹雄。

レナス:「え?」

 つられて天井を見てしまうレナス。『ぽかん。』と口が開く。
≪ガポッ!≫

レナス:「んぎゅ!?」

 その隙に口の中に手にしていたリンゴの欠片を放り込んでそのまま口を塞ぐ芹雄。

芹雄:「わははは!引っ掛かったな!そら、ちゃんと飲み込むまで手を退けないぞ〜?」

レナス:「んむ〜!おほえへなはいほ!」

≪シャリ…シャリ…くぴっ。≫
 そして、ちゃんとリンゴを食したレナス。

芹雄:「うむ。食ったな。偉い偉い。」

≪パッ≫
 手を離す芹雄。

レナス:「むぅ〜!芹雄さ――――」

芹雄:「…はいはい。怒るなら回復してからな………そら、もう1個食うか?」

 剥き終わったリンゴの欠片を差し出す芹雄。

レナス:「…うん。いただきます。」

 その後しばらくは芹雄の剥いた果物をレナスが食す、という時間だった。
やがて、レナスが『もうお腹いっぱい』と言うのを聞き、剥き終わってた果物を自分が食い、剣を拭いて鞘に収めた。
そして、軽い会話の後…レナスが訊いた。

レナス:「ねぇ、芹雄さん。」

芹雄:「ん?なんだ…どうした?」

レナス:「芹雄さんの使ってる剣って…『降魔の利剣』だよね?」

芹雄:「ああ、そうだが。…それがどうかしたのか?」

レナス:「どうして芹雄さんには抜く事が出来るの?」

芹雄:「………喧嘩を売っているのかね?レナス君。」

レナス:「いや、そんなつもりはないよ。だけどあの剣って善人にしか抜けないって聞いたんだけどなぁ……」

芹雄:「なぁんだ!遠回しに『死にたい♪』って事なんだね!」

レナス:「…やっぱり納得できないなぁ…」

芹雄:「って、やっぱり喧嘩売っとぉやんけ!」(神戸弁)

レナス:「だってなぁ……」

芹雄:「『だって』…何だよ?」

レナス:「芹雄さんナンパ師なんでしょ?」

芹雄:「違っ、……う……ぞ。多分………」

レナス:「善良なナンパ師って何か矛盾してない?」

芹雄:「だから違うと思うと言ってるだろうが!」

 次の瞬間、『ふっ…』という勝ち誇ったような嘲笑の息を漏らしニヤリ…と笑うレナス。

レナス:「愛蓮さん、玲奈さん、母さん。」

芹雄:「ギクッ!」

レナス:「それだけじゃなくてフェンリルにいる若い女性に手当たりしだい声をかけてるそうだね。」

芹雄:「は、ははっ…そんな事する訳――――」

 ≪ペラッ≫
 1枚の文字が書かれた紙を取り出すレナス。そしてその文字を読み上げて行く。

レナス:「クレアさん、麗香さん、百恵さん、リリアさん、瑞菫さん、アリアさん、 志乃さん、クリスさん、苑園さん、更紗さん―――――」

芹雄:「ぎょわぁ!?なななな何でそんな事を寝ているレナス君が知ってるかな?」

レナス:「ふっふっふ…フェンリルでは既に有名だよ。『若い女性限定で声をかける異大陸のナンパ師』ってね。 そして、全員の意見により見事、芹雄さんは『ナンパ国のナンパ大使』として認定された訳だよ。」

芹雄:「なっ、何だよ!そのナンパ国のナンパ大使ってのは!?」

レナス:「あ、ちなみにその名前はわたしが広めたんだよ。」

芹雄「お前かよ!?」(バカルディ改め)

レナス:「でもそのおかげで、ナンパしても眉をひそめられなくなったんだしいいでしょ?」

芹雄「よくねーよ!」(さまぁず)

レナス:「まぁ、そんな事はどうでもいいんだけどね。」

芹雄「どうでもいいのかよ!?」(三村マサカズ)

レナス:「ホント、ツッコミ上手いよね〜。」

芹雄:「やらすな!……だから愛想良く接してくれる割にはあっさりとかわされてたのか…ううう…皆がわらわを辱めるのじゃ…ヨヨヨ…」

レナス:「それで降魔の利剣なんだけど、どうやったらわたしにも抜けるかな?」

芹雄「無視か!」(草薙紫舟)

レナス:「まぁまぁ、もうどうでもいいじゃない。振られる理由が判ったんだし。」

芹雄:「お前の所為だろうが!」

レナス:「はいはい。押さえて押さえて…ホ〜ラ、おねぇちゃんが美味しいものあげまちゅよぉ〜。」

芹雄:「うがあぁぁぁぁぁ!幼児扱いすんな!しかもそれはさっきの果物だろぉが!」

レナス:「あら、バレた?…じゃぁ、食べさせてあ・げ・るv はい、あ〜ん。」

芹雄:「メロンを丸ごと差し出すな!」

レナス:「ン、もぅ…ノリが悪いなぁ…そんなに怒ると皺が増えるよ?」

芹雄:「誰の所為だと思っている!?」

レナス:「芹雄さん。」

芹雄:「ぬごがああぁぁぁぁぁ!!!!」

レナス:「あはははははははは!!」

芹雄:「笑うなあぁぁぁぁぁ!!」

 すっかりレナスのペースにはまってしまった芹雄だったが、その内なんとか落ち付いて来た。
その後、完全に普通に戻った芹雄はレナスに降魔の利剣の抜き方を教えるのであった。

芹雄:「降魔の利剣を使うにはおのれの属性を善と秩序でマックスにするしかないな。」

レナス:「わたしの属性?マックス?」

芹雄:「つまり完全な善人になれと言―――」

レナス:「無理。」

芹雄:「…即答かい。ま、確かに短期間でそれをやるのは無理だよな。」

レナス:「はぁ……でもこの剣が抜けないと戦力的にきついんだよねー。」

芹雄:「どれどれ?こっちの剣は俺の世界とどう違うのかね…」

≪スラー…≫

芹雄:「む……おぉ?」

レナス:「ん? どうかしたの?」

芹雄:「この剣…滅茶苦茶重いんですけど…………っ!?」

レナス:「は?それって抜けたけど使えないって事じゃない。」

芹雄:(この感じは…まさか…!?)

レナス:「…芹雄さん?どうしたの?」

芹雄:「い、いや。おかしいな…俺の降魔の利剣は使えるのに…」

レナス:「これはつまり、芹雄さんの世界とわたしの世界では微妙に剣の性質が違うって事?」

芹雄:「レナスの持っている剣が降魔の利剣だと言う事は間違いないようだ。だとしたらそうとしか考えられないだろうな。」

レナス:「と、言う事はこの剣を使うには何らかの条件が必要になってくるのかな…?」

芹雄:「全くややこしい剣を手に入れたもんだな。」

レナス:「へへ…じゃあ、芹雄さんの降魔の利剣を貸してよ♪」

芹雄:「フン…抜けたらな。」

 《ニヤソ…》今度は芹雄が勝ち誇ったような笑みを浮かべる。

レナス:「くっ! 絶対抜いてやる!ふぬっ!……………」

芹雄:「ふふ…さて…」

 芹雄は重いこの剣を地面に立て、心の声で声を掛け始めた。

芹雄:(おまえ…インテリジェンスソードだな?)

利剣[…………………良く判りましたね。いや…流石、と言った方が良いでしょうか。]

芹雄:(ふ…そんな事はどうだっていいんだ。何故俺に力を貸さない?)

利剣[…確かに貴方は善と秩序の力を極めし者… しかし、この世界に於いての貴方は『世界の秩序』そのものを乱す者です。持つ事は許しても力を貸す事は出来ません。]

芹雄:(なるほど…それは良く判った。で、1つ頼みがある。)

利剣[…なんでしょうか?]

芹雄:(レナスに力を貸してやってくれないか?)

利剣[…何をバカな事を…このような悪事を重ねた娘の協力など出来る訳が無いでしょう。]

芹雄:(無理を承知で頼む…この娘は今この街の人々を救おうと必死なんだ。その為にはどうしても主の力が必要なんだよ!)

利剣[………]

芹雄:(頼む…普段は力を貸さなくてもいいんだ。でも今回は…強大な悪と戦う時だけでいい!力を貸してやってくれ…頼む)

利剣[…………まぁ、考えておきましょう。]

レナス:「キィ―――――ッ!!」

芹雄:「ぉっ…まだやってたか。」

レナス:「くやしー!芹雄さんでも抜けるのにー!」

芹雄:「ぬ!?だからどういう意味だよ!それは!?」

レナス:「芹雄さんが完全な善人だなんて納得できない!」

芹雄:「はっ、大きなお世話だ!そっちこそ抜けないからって僻むなよ!」

レナス:「誰が僻んでるんだよ!このナンパ師!」

芹雄:「へへーん!くやしかったら降魔の利剣で不精髭でも剃ってみな!」

レナス:「馬っ鹿じゃないの!? 乙女のわたしに髭なんてないっつーの!」

ポセ[完全に子供の喧嘩だな。]

芹・レナ:『誰が子供だ!(よ!)』

 ≪フラッ…≫
少し興奮させ過ぎたようだ。レナスが倒れそうになる……まぁ、ベッドの上なので大丈夫だが。

レナス:「あぅ……」

芹雄:「おっと…無理をさせてしまったようだ。それじゃあ今回はこれでお開きだな。」

レナス:「うん、続きはまた今度ね。」

芹雄:「じゃぁな。」

レナス:「ばいばい。」

≪ガチャ……バタン。≫
レナスの病室を後にし、酒場に向かう芹雄。
その酒場で新たな若い美形の冒険者発見。早速仲間に誘う。

芹雄:「あの。そこを行くお嬢さん、少しよろしいですか?」

女性冒険者:「はい? あ…!キャ〜!ナンパの親善大使さんだー!」

芹雄:「俺はそんなのじゃないのに……グスン。」

 望む者とはまた違うモテ方をしていた…
嬉しいやら悲しいやら勿体無いやら…複雑な心境である。
 やがて……そろそろ仲間の修行に一段落着く頃だ。
芹雄がバイラーダスに帰る日が近付いて来た―――――



 次回、元の世界に帰る日がやって来た。
その前に芹雄はついにレナスと――――!!!
何があるのか!?
以下次号ッ!

第二十三章

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