ルナティックドーン 前途への道標
〜剣士【芹雄】の冒険記〜

〜 第六章 〜

ハーレムへの道標



 遂に若いオナゴの仲間が出来た芹雄。感涙しながら自己紹介を始める。

芹雄:「俺の名は【勇剣士】『せりおす』。一応18歳。(何度か若返ってるけど黙っとこ)。出身は…良く判らん。で、剣士を目指している。」

藍玲:「ワタシ、『ランリン』いうアル。17歳アルね。夢は世界中の美味しい物を食べる事!

 彼女は【欲望に従う】藍玲。特徴は…『グルメ』だった……

藍玲:「この街の料理にも飽きて来て、そろそろ旅に出ようと思ってたトコネ。仲間出来て心強いアル。これからヨロシクアル!」

芹雄:「ああ、よろしく。今までずっと一人で旅してたから君のような明るい人が仲間になってくれて嬉しいよ。」(かなり魅力的な人だ。しかもカワイイ系と来た。)

 初めて仲間が出来たことが相当嬉しかったのか、一気に脱力。

藍玲:「?……どうしたアルか?」

芹雄:「あ…いや、一寸気が抜けて…」

藍玲:「はぁ…ところでこれからどうするアルか?他に仲間探さないアルか?」

芹雄:「え゙!いや〜…ムリでしょう…藍玲さんが仲間になってくれたこと自体奇跡に近いんじゃないかな?」

藍玲:「そうアルか?ワタシは丁寧で、頼りになりそうなヒトだと思ったアルよ?」

芹雄:「……マジで?おかしいな…別に修行した訳じゃなかったんだけど…何でかな?何が悪かったんだろう…」

(解らんか!?)

芹雄:「ん〜…じゃ、取り敢えず誘ってみる。まぁ、期待はしないで…ちょいと待ってて。」

 と云う事で、他の若いオナゴを探し始めた……いた。金髪の女戦士だ。以前、苦汁を舐めさせられた系統なので気を引き締める芹雄。
相手は【女剣士】ファンチーヌ。如何にも、な感じの外見だった。

芹雄:(さて、行くか!)「あの、ちょっといいですか?」

 芹雄に呼ばれ、こちらを振り向くファンチーヌ。

芹雄:(うぉ…遠くから横顔見ただけじゃ判らなかったけど、結構美人なんだな…)

 いきなり勢いを無くす芹雄。

ファンチーヌ:「…なにか御用かしら?」

芹雄:「あ、あ〜っと。もしよかったら、私とパーティを組みませんか?」

 『達』というところをしっかりと主張する芹雄。
「誘い方が悪かった」という事は恐らく一生気付かないであろう。

ファンチーヌ:「ええ、いいわよ。丁度私も仲間を探してるところだったの。それに…あなた強そうだから頼りになりそうだしね。」

芹雄:「マジすか!やった! 有難う! あ、じゃぁこっち来て。仲間を紹介するよ。」

 藍玲のいる所に戻って来た。今回はこれで仲間集めは(あとは男しか残ってなかったので)終わりだと告げ、改めて自己紹介をする。

芹雄:「え〜…、俺は『せりおす』……(以下略)。こちらは仲間の藍玲さん。」

ファンチーヌ:「私は【女剣士】の『ファンチーヌ』。歳は21。レンシアの【白夜の村】出身よ。強い剣士になるのが夢なの。

芹雄:「これから仲間として一緒に行動する訳なのでよろしくお願いします。藍玲さん、ファンチーヌさん。」

ファンチーヌ:「あら?仲間なんだから敬語なんて使わないで。それに『さん』なんて付けなくてもいいわ。呼び捨てで構わないから。」

藍玲:「あ、じゃぁワタシも『藍玲』と呼ぶよろし。ヨロシク!ファンチーヌ。」

ファンチーヌ:「えぇ、よろしくね。藍玲。」

芹雄:「じゃぁこれからよろしくな。藍玲・ファンチーヌ!」



 こうして、遂に念願の若い女だけのパーティを組む事が出来た。で、先ずする事は…能力確認。

芹雄:(え〜と…?藍玲が筋力34、知性23、敏捷41、魅力76…う〜む…魅力以外は低いなぁ…こんなんじゃ討伐系で死ぬぞ…武具もしょぼいし…何で魔法持ってんだ?知力低いのに… んで、ファンチーヌが、筋力64、知性14、敏捷23、魅力61か…まぁ、さすがに筋力はそこそこだな…簡単には死なないにしても装備は不安だな…)

藍玲:「芹サン!どうしたアルか?」

芹雄:「あ、いや……(『せりさん』?あだ名か。)そうだ!二人とも!仲間になってくれた祝いに、武具を買ってあげるよ!」

ファンチーヌ:「あら、いいの? じゃぁお言葉に甘えようかな。」

藍玲:「わ〜い!嬉しいアル!」

芹雄:「但し!…俺が選ぶ。」

 ビシィ!(親指を自分に指す)

二人:「えっ………」

 さすがに不安な様子だったが、買って貰うのに文句は言えない。(何を買うの…?)二人は内心期待と不安でいっぱいだったであろう。
まずは、この街で武器【鉄尺】と【大刀】を買う。最早完璧に前衛は任せられないと判断してる様だ。これを最高まで強化。でもまだ渡さない。

芹雄:「んじゃ、取り敢えず日紫国まで行くか!」

藍玲:「えっ!?もう?武器は?あ、その前に芹サンの詳しい事、聞いてないアル〜!強さわかんないヨ!」

ファンチーヌ:「…確かにそうよね。リーダーの能力が解らないとちょっと不安だわ。」

芹雄:「うっっ…」

 『拙い事を訊かれた…』思わず立ち止まって…いや、硬直してしまった。

芹雄:(う〜ん…さすがに「全部極限値(100。普通の人の筋力・知性・敏捷は90。魅力は100)まで行ってるゼ!」とは言えないな…足手まといって思われたらイヤだし。適当に言って誤魔化しとこ。)

藍玲:「? …芹サン?」

芹雄:「え、えっとなぁ…筋力が…69で、知性がご…52、敏捷が…70で、あと魅力は……60…くらい?」

ファンチーヌ:「なんで訊き返すの?…まぁいいわ。これ以下ってことは無いでしょうし。外見的に。装備品は?」

芹雄「え゙!?」(またキツイ質問を…【降魔の利剣】【忍びの装束】を持ってる、なんて言ったら弱い武具なんか渡せねぇ!)

藍玲:「そのキレイな兜、【黄金兜】ネ。ワタシ見たことあるアル。」

 兜はすぐにバレた。そりゃそうだ。派手だし。忍者っぽくないし…いや、忍者であろうと思ってる訳でもないんだが。

芹雄:「ゔ…まぁ、コレはたまたま手に入っただけだよ…そう!探索依頼で…」(ホントは前の世界で強奪した。)

二人:「へえぇ…」

芹雄:「あ!武器ね!武器は……【トゥハンドソード】(両手持ちの剣…嘘ではないな)。胴には【黒装束】だ(外見一緒)。」

ファンチーヌ:「変な組合せね…この装備でずっと一人で旅してたの?」

芹雄:(ギク…)「あ、あぁ…」

藍玲:「スゴいアル!ちょっと尊敬したね。」

ファンチーヌ:「確かに凄いわね。だったら、アイテムや魔法も?」

芹雄:(ギクギクッ…)「あ、いや…【ファイヤータロット】と【恩恵札】しか使ってないよ。」

藍玲:「おぉぉ〜。成る程ネ…多数の敵対策、ダメージ対策万全アルね。」

 当然嘘です。【恩恵札】は嘘ではないが、敵多数の時は【忍の宝珠】を使い、面倒な時は【バニッシュクリスタル】(知性85必要)をも使う。

芹雄:「これでどう?もういいかな?」

ファンチーヌ:「…まぁ、いっか。じきに判るでしょ。十代っていう若さの割に強過ぎるっていうのが引っかかるけど。」

芹雄(オゥッ!鋭いね…)「で、でも弱くないから安心してよ。」

藍玲:「ワタシは全然構わないね。ファンもいいアルね?」

ファンチーヌ:「ファン…? あぁ。えぇ、いいわ。…藍玲はあだ名を付けるのが好きねぇ…じゃぁ、これからはあなたに任せるわね。リーダー

「リーダーリーダーリーダーリーダーリーダーリーダー…」(エコー)

芹雄うおおおお!!!(感激)皆!俺に着いて来ぉぉぉぉい!

 …そして買い物をしに日紫国へ向かう芹雄一行…ここまでは芹雄の嘘は通じたが、この先どうなる!?

皮下脂肪…基、以下次号!


第六章

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