ルナティックドーン 前途への道標
〜剣士【芹雄】の冒険記〜

〜 第八章 〜

仕事引き受け



 そして宿の主がいる酒場のカウンターまでやって来た。こちらを向くマスター。
外見はごつくて声のデカイ怖いオッサンだが実はいい人なのである。

宿の主:「いらっしゃ…おや?おめぇさんは……ん?」

 目が合ったので取り敢えずアイ・コンタクトで他人のフリをするように仕向ける。

宿の主:(ふむ…)「ん"ん"!(咳払い)よう、若いの。その格好からすると冒険者だな。 女2人も連れて、羨ましいね。宿泊や休憩なら別のカウンターだぞ。」

芹雄:「いや、違いますよ。仕事引き受けたいんですけど…」

宿の主:「ほぉ、仕事かい?若いのに熱心だなぁ。 しかし護衛もやってんだろ?それ終わらせてから来な。それとも、アンタが護衛されてるのかな?」

酒場の客:「ヒャハハハハ!」「なっさけねぇ〜!」「冒険やめて普通に暮らした方が良いぜ、ダンナ!」
 マスターの台詞の後、このやり取りが聞こえていたのか、酒場のあちこちで笑い声が上がる。 そしてちょっと嫌な顔をする仲間2名。

芹雄:「ははは…まぁ、取り敢えず仕事斡旋してくださいよ。」

宿の主:「はン……そうだなぁ…いろいろあるがこんなのはどうだ?」

 そう言って、仕事の内容が書かれた木板を2枚出される。――さっき芹雄が偶然選んだ2つの仕事だった。

宿の主:「あんたらみたいなひょろい連中にゃ、この「宅配」と「買物」がお似合いだゼ!」

酒場の客『どっ―――』
 そして大爆笑が起こる。後ろの二人は怒ってんのか恥かしいのかわからん位、真っ赤になって震えている。

芹雄:「じゃぁ、この二つ引き受けます。」

宿の主:「はっはっは。まぁ冗談はこれくらいにして、と。ん〜… そうだなぁ…あんたぐらいなら「救出」と「討ば…つ」…………って、え?…えッ!嘘ォ?

 依頼内容の書かれた木板を取ってピタと動きを止めるマスター。
その間も嘲笑は止まってない。

酒場の客:「そこのオネーちゃーん、そんな情けない男なんて別れてオレと組もうぜ〜!」
酒場の客:「装備だけ派手な忍者さ〜ん、早く強くなれよ〜!」

 再び芹雄に目を合わせるマスター。

宿の主:「あの…今、何と…?」

 「信じられん」「ゴメン、怒らんといてっ!」といった面持ちで聞き返すマスター。
異変に気付きヤバイと感じた芹雄は必死のウィンク抗議で続行させようとする。

芹雄:「この「宅配」と「買物」の二つ、引き受けたいんですが…」(バチバチバチバチ)←ウィンク

宿の主:「あ…あ〜、この二つな!おう、判った。おめぇさんたちにはピッタリだもんな!」

 【呪いの菊人形】と買ってくる物が書かれた札を渡される。

宿の主:「「買物」の代金は報酬と一緒に払うからな。じゃ、任せたゼ!期日は守ってくれよ。あと、パクんじゃねぇぞ!」

 女性二人は用が済んだので颯爽と宿から出ていった―――のを確認してから、マスターが謝ってきた。

宿の主:「済まんね、芹雄さん…まさか本当にあの二つやるとは思わなかったんでなぁ…」

芹雄:「いやいや、いいさ。こっちがお願いした事だ。それに逆に助かった。もう引き受けの時ついてこないだろう。」

宿の主:「そうかい…?そう言ってもらえるとこちらも助かるよ。 でもどうして「宅配」と「買物」なんだ?「討伐」もあるんだが…」

芹雄:「悪いな。あの二人が嫌がっちまってさ…取り敢えず仲間が強くなるまでこれ関係の仕事するよ。」

宿の主:「そうか…【九尾のキツネ】を倒せるのは今のところあんただけなんだが…仕方ないな。 ま、その内居なくなるか…お、行くのか。じゃ、頑張ってな。仕事宜しく頼む。」

 そして酒場の者達から笑われながらその場をあとにする。中にはこの町の人だろう。手を振ってくれる人がいた。知名度MAXは伊達じゃない。


 ガシッガシッガシッ!!
何か硬い物を殴ってる音が聞こえる………

藍玲:「くぅぅ〜〜〜〜〜………む・ムカツクアル〜〜〜〜!!!」

 そう言ってガシガシと武器で地面に八つ当たり。そう、武器は【鉄尺】。さっき買ってあげたばっかり

芹雄:(藍玲か…あ〜あ…武器が…)「まぁまぁ、落ちついて……」

 羽交い締めにして止める。が、その間も「フー!」「キー!」「ムガヅグー!」等の奇声が発せられてたが。

ファンチーヌ:「…にしても、あのマスターも言い方ってものがあるでしょうに!いくら若輩者だからって…ねぇ!」

芹雄:「まぁ、おいおい強くなってもっといい仕事引き受けるようになればいいんだし。」

藍玲:「あうぅ〜…酒場のお客さんにまでバカにされたアルぅ…」

 キュピーン!
これは次から一人で引き受けに行く口実を作るチャンスではないかッ!と、目をギラつかせる芹雄。

芹雄:「だろォ?だ・か・ら、俺一人で行くって言ったんだよ。 次からは俺が一人で行くからさ、もう二人とも恥かく必要はないよ。」(ヨシ!キまったな。パーペキだ。)

 と、何の根拠も無く、死語をいれながら納得し小さくガッツポーズ

藍玲:「ウウン!ダイジョブ!それにワタシ、怒らなかった芹サン見て感動したネ!」

芹雄(え?) (汗)

ファンチーヌ:「そうよ!あそこで一番悔しい思いをしたのはあなたでそれに耐えた心は素晴らしかったわ…」

芹雄(ちょ…ちょっとまってよ…え?え?) (焦)

藍玲:「大丈夫アルよ…芹サン一人に辛い思いはさせないアル。」
― 今度もついて行く。ワタシも同じ場所で一緒に耐えるアルよ!」

芹雄(マジっすかー…) (泣)

ファンチーヌ:「私も行くわ!今度バカにする奴がいたら、そいつにガツンと言ってやるんだから!」

芹雄(ぬおお!逆効果じゃ〜!) (爆)
「い、いや〜…そんな心配せんでも…それに、こんな程度じゃ済まない場合もあるかも……あ"。」

 「しまった」と思ったが、遅かった。その後何を言っても駄目であった。むしろ逆効果に終わった。

芹雄:(うはぁん。もう好きにしてください…。)「そうか…じゃ、お願いするよ…悪いね…」

ファンチーヌ:「了解!さ、行くわよ!目的地は深森の町だったわね。」

藍玲:「レッツゴーアル〜!」

芹雄:「さ、先が思いやられる……」

―――――こうして無事(?)初仕事を引き受け目的地へと出発した芹雄一行。
 無事仕事は成功するのか!?そしてその後の展開は!?以下次号ッ!!!


第八章

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